(A) 一般目標
後期臨床研修プログラムの間に呼吸器専門医として多岐にわたる呼吸器診療に必要な臨床経験、知識を身に付けられるよう経験しておくべき主要病態を指導医とともに担当する。
さらに、呼吸器専門医として必須である日本内科学会認定内科医を4年次、日本呼吸器学会専門医を7年次に受験し資格を取得することを目指す。さらに呼吸器専門分野としての日本アレルギー学会認定医、日本臨床腫瘍学会専門医、日本呼吸器内視鏡学会専門医の資格取得を目指す。
(B) 行動目標
I. 主要な呼吸器疾患として以下の疾患、病態を後期研修期間中に経験する。
(1) 呼吸器感染症(肺炎、気管支炎、真菌症、抗酸菌感染など)
(2) 気道系疾患(気管支喘息、閉塞性肺疾患(COPD)など)
(3) 腫瘍性疾患(肺癌、縦隔腫瘍など)
(4) びまん性肺疾患(間質性肺炎、過敏性肺炎、サルコイドーシスなど)
(5) 呼吸不全・呼吸障害(睡眠時無呼吸を含む)
(6) 環境・職業性肺疾患(塵肺、過敏性肺炎など)
(7) 肺循環障害(肺塞栓症・肺梗塞など)
(8) 異常呼吸(過換気症候群)
(9) 胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎)
II. 呼吸器内科医として習熟すべき診断能力・手技の目標
- (1) 面接・身体所見
- 聴診、打診から身体所見を正確に表現でき、バイタルサインの変化から、患者の病態把握、重症度の診断ができる。
- (2) 喀痰検査
- 喀痰を採取し、グラム染色、チール・ニールセン染色、パパニコロ染色ができる。
グラム染色から起炎菌が特定できる。
- (3) 血液ガス
- 上腕、橈骨、大腿から確実に採血ができる。血液ガスを評価し、患者の病態把握ができる。
- (4) 胸部レントゲン写真
- 基本的な読影法を修得する(正常、異常の区別、撮影条件、シルエットサインなど)異常陰影の性状について表現し、病態が理解できる。
画像から、鑑別疾患をあげることができる。
- (5) 胸部CT
- 肺野、縦隔リンパ節、血管系について解剖学的構造を理解し、正常、異常の区別ができる。
異常陰影の性状について表現し、病態が理解できる。
- (6) 肺機能検査
- 肺機能検査の検査データを評価でき、疾患の鑑別に用いることができる。
- (7) 胸腔穿刺、ドレナージ
- 診断および治療のために一人で行なうことができる。
- (8) 気管支鏡
- 術者として気管支鏡を操作でき、所見を正確に表現し、検体採取、治療としての処置ができる。
- (9) 気道確保・気管内挿管挿管のタイミングを理解し挿管が自力で確実にできる。
- (10) 人工呼吸器、NIPPV(Bi-PAPなど)
- 人工呼吸器の原理、適応を理解し、初期設定ができる。
血液ガスから、設定の変更の必要性を判断し、実施できる。
呼吸、循環管理ができる。
III. 必要な治療についての理解と習得目標
- 感染症に対する抗生剤を適切に選択し、その効果、副作用、禁忌を説明できる。
- 喘息、COPDに対する薬剤の使用についてガイドラインを理解し薬剤の選択ができ、その効果、副作用、禁忌を説明できる。
- 肺癌を含む胸部悪性腫瘍について抗癌剤の効果、副作用、禁忌を理解し、EBMにそった治療を行なうことができる。
- 膠原病および類縁疾患についてステロイド、免疫抑制剤の投与の適否を理解しその効果、副作用、禁忌を説明できる。
- 低酸素血症をきたす疾患に応じて酸素療法の意義を理解し酸素療法を実施できる。
- 呼吸器救急患者(呼吸不全を伴う病態)に対する治療を行なうことができる。